おこた






「なんや真子!じじむさいのぉ」

「うっさいねん、冬はおこたでみかんって相場が決まってんねん」

「アホらし」

「んで、もう雪合戦終わってんか?」

「いーや。まだ。リサとラブはエロ本10冊かけて勝負してんし、白は拳西に雪をひたすら投げて、やり返されて、またやり返しとる。泥沼や」

「アホか、あいつらは。で、ローズとハッチは?」

「ハッチは猫の世話。ローズはリサとラブの雪合戦勝負の審判」

「お前は?」

「さむなって帰ってきた。ウチ、大人やし。子どもっぽい事しーひん」

「お前が一番お子様やないか」

「なんやと、ハゲコラ真子!」

「アホ、蹴りなや!痛ったいやろが!」

「お前がハゲたこと抜かしよるからじゃっ」

「ほれ、これやるから、背中、踵でグリグリすんのやめや」

「みかんか。剥いて、真子」

「ああ!?なんでやねん」

「ああー。おこたあったかぁ。で、剥いてくれへんのか?」

「しゃーから、なんで俺がっ」

「剥いて、真子」

「……」

「剥いて」

「―――――――だぁぁぁぁぁ!!くっそ!わかったわ。剥くわ。ちゅーかあんま剥く剥く言いなや。ちょおエロいねん」

「そらお前の頭ン中がエロいことしか考えてへんからや。変態。助平。えっち。万年発情エロ河童」

「そう言うお年頃やねん。しゃーないやろが。ほれ、剥けたで」

「おおきに。…あ、旨いやん。このみかん」

「せやろ?俺が見定めたやつやからな。当たり前や」

「ちゃうやろ?拳西が買うてきたみかんやんけ。自分の手柄みたいに言いなや」

「むっ。その買うたモンの中から選りすぐりのを俺が選んだったんや」

「はいはい。すごいなー。真子はほんまにすごいなー。やれば出来る子やんなー」

「……」




「はぁー。ごっそさん。腹いっぱいになった」

「そら、立て続けに3つも食いよれば腹も膨れるわ」

「なんか言うたか?真子」

「なんも言うてまへん」

「…ちょお、寝むなった…」

「ん?そーか。ほな、お座布団出したるわ。ちょお待ち」

「…ん」

「って、ええ?あの、あれ?猿柿さん???」

「なんや。あかんのか」

「いや、ここ、俺の陣地。ちゅーか、めっちゃ近い」

「陣地ってなんや。お前の大好きなウチがくっついたってんねん。有難いと思い」

「ちゃうやろ。お前が俺の事大好きなんやろ?」

「うん」

「ああああ、アホ!そこはちゃんと否定せい。恥ずかしなるやろが!」

「うるさいな。真子、手」

「はぁ?手?」

「手、出しぃ」

「手、にぎにぎせぇへんと寝られへんのかいな」

「ちゃう。ただ、お前の手、落ち着くねん……ってくっさ!みかんくっさ!」

「お前がみかんばっか剥かすからやろが。嫌やったら離せ、ひよ里」

「……お座布団」

「ああ、ほれ。二つに折ったるから、枕にしぃ」

「おおきに、真子」

「ええから、ちゃんと寝ぇや。手も握っといたるから」

「おおきに、真子」

「もぉ、ええっちゅーねや」

「……」

「なんや、もう寝てもうたんか。のび太くんか」



「俺も、寝よ」




end

 
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真子にツンツンしながらも甘えんぼなひよ里、萌え。
ほのぼのな二人はよいですね。拍手最初のネタでした。